選抜Ⅱ 国語

 今週は、選抜Ⅱの国語について記載していきたいと思います。

 

まず選抜Ⅱの国語の過去7年間の平均点は以下のように推移しています。

 

 H24   H25   H26  H27  H28  H29  H30

  30.2  32.1  31.5  28.8  25.6  23.9  23.5

 

 国語は、これまで記載してきた教科と同様に平均点は下降しておりますが、選抜Ⅱの試験の中では、最も得点しやすい教科の1つです。

 

  平均点が下がった要因は2つあると考えております

まず1点目は、これまでの全ての教科で述べてきたように、問題量の増加となります。H25年度入試では、問題用紙が6ページ、H26、27年度は10ページ、平均点が急に下がり始めたH28年度以降は13ページとなっております。したがって、このたった5年間で、問題ページ数が倍以上になっているということです。

 また、文章が増加しただけではなく、資料の読み取りが導入されたことにより、以前の入試よりも格段に処理しなければならないことが増えました。

 

 2点目は記述量の増加です。問題が増え、読解以外にも資料の読み取りが増えた上、H28年度以降は、250字程度の意見作文が導入されるようになりました。また、説明文や小説文の読解問題においても、記述する量が増加しております。

 

 以上の2点より、以前の入試に求められていた「読解力」だけではなく、資料から的確に問題の意図を読み取る「分析力」、そして作文を書く「表現力」が求められるようになったため、平均点は下降傾向にあると考えております。

 

 しかしながら、平均点を確実に取るための学習は難易度が上がった現在の入試も以前とはさほど変わりないと考えております。これが他の教科と異なるところです。これまで記載してきた、数学、理科、社会においては学習のスタイルさえ変えなければいけないほどの難化ですが、国語はこれまでと同じように「読解」メインで学習することで、平均点を確保できると考えております。

 平均点より上を目指していくためには、これまでと学習方法を変えていく必要はございますので、下記に対策などを記載していきます。

 

 まずは、平均点確保のために、「言語事項」「記号問題」「書き抜き問題」対策が必須です。上記したように、これはこれまでの学習とは変わりません。

 「言語事項」ですが、「漢字」や「漢字の成り立ち」「古文単語」「文法(古文含む)」などを確実に覚えることが最優先です。広島県の入試問題の国語では、これらのような覚えることができていたら正答できる問題が非常に多くございます。学校の授業で学習したこと、そして定期テスト、習熟度テスト前に提出物となっているものを確実に覚えるだけで十分得点できることですので、受験を見据え、計画的に覚えて頂きたい内容となります。

 

 「記号問題」「書き抜き問題」ですが、これらの問題も以前までの入試と基本的には変わりございません。「記号問題」においては

①本文に書かれていない内容が書いてある

②内容が部分的に間違っている

③誇張表現がある

④文章中の難易度の高い表現を多数用いてあたかも正しいような文章が書いてある

 (ただし、内容は文章と全く異なることが書かれています)

以上4点にしっかりと注意し、設問を読むことで、正答または2択まで取捨選択できると思います。これらは、文を的確に読む力が備わっていれば、決して難しいことではございません。もちろんひっかけ問題や難易度の高い問題も出題されますが、「記号問題」においては上記4点に注意して対策をして頂くと効果的かと思います。

 「書き抜き問題」においては、設問の意図すなわち答え方を明確にして、文章全体から答えを制限字数内で探し、答えることが重要です。設問では理由を答えなければならないにも関わらず、理由ではない文を書きぬくような生徒が少なくありませんので、設問をしっかりと把握することが重要となります。

 

 「暗記」と上記内容に注意して「演習問題」をたくさん解き慣れることが重要です。彩星館では、演習問題は冬休み以降の受験対策講座で徹底して参ります。

 

 次に古典となります。選抜Ⅱでは、基本的に古文の出題となっております。そのため、古典は古文を重点的に学習する必要がございます。選抜Ⅱの古典は、全国的に見ても標準的な問題が多いです。すなわち、比較的に点数を確保しやすい問題となります。また対策も難易度は高くありません。上記したように、「古文単語」「古文文法」を確実に暗記し、問題をたくさん読み、解き慣れることで正答率、得点率は上がってくると思います。

 

 次に記述問題です。記述問題においては、従来の文章読解から要点をまとめたり、設問に答えたりするだけでなく、「図版や会話文の空所補充」などの記述問題が増えて参りました。平均点よりも上を目指していくためにはここの対策は避けては通れません。選抜Ⅱではここの点数確保が一番難易度が高いと考えております。文章読解からの記述問題は問題数も非常に多いため、対策はしやすくなっておりますが、「図版や会話文の空所補充」は新しい出題傾向の1つですので、まだまだ演習問題が少ないです。そのため、他県入試などで、多くの問題に触れることが何よりも大事だと思います。

 高校受験や大学入試で平均点が大きく下がる1つの要因として真新しい問題の出題です。細かな対策を投じていくことは重要ですが、何よりも、出題傾向をしることはとても大事です。現在全国的に全教科で出題傾向が目まぐるしく変化しているため、傾向を把握していても、それが出題されない可能性はありますが、傾向を把握しておくことはとても大事なことです。ただし、過去問を早めに解き、それを何度も解き直すなどのことは必要ありません。あくまで傾向をしることが大事です。選抜Ⅱの受験傾向を早めに知り、それらの類似問題を継続的に解いていくことが重要です。

 

 最後に、作文です。選抜Ⅱの作文では、資料の読み取りから意見を書く(例年、作文を書く条件が3つあります)ことが求められます。満点を取ることが非常に難しいものとなります。しかし、部分点を頂くということにおいては、難易度の高いことではございません。細かい部分点の詳細は発表されておりませんが、H30年度入試の作文の配点は10点で、満点が全受験生の5.0%、部分点が67.0%となっており、受験者全体の72.0%の生徒が点数を確保できております。作文対策はかなり細かく、量が多くなってしまいますので、割愛させて頂きますが、大きく以下の4点に注意して学習して頂きたいと思います。

 

 ①資料の要点をまとめる。

 ②中学校までで学習した漢字は全て漢字で書くこと。

 ③接続助詞を多用せず、接続語で文をつなぐようにする。

 ④制限字数がある場合は、95%以上の字数を確保できるように文を終える。

 

 設問の意図をしっかりと捉え、中学3年生すなわち受験生としてふさわしい表現さえできていれば、部分点以上は確保できると思います。

 

 点数を確保できない生徒の多くが、

①作文を全く書かない。または文字数が字数制限の70%に達していない。

②問題の意図とは異なる内容を書いている

 以上の2点となっておりますので、これらのことが無いように学習頂きたいと思います。

 

 以上のようになります。国語は他4教科と異なり、どのように勉強して良いかということが明確にしづらい教科だと思います。そのため、対策などもなかなか記載しづらい部分があり、抽象的な内容もあったことご了承頂きたいと思います。彩星館では、冬休み以降で、国語の対策を投じていきます。上記の内容を細かく伝え、たくさんのことを伝えていきます。

 ぜひ、ご質問などあれば、ブログにご返信頂いても結構ですし、お問合せ頂けると幸いです。

 来週は、選抜Ⅱ最後の英語を記載させて頂きます。